誰もが安心して利用するためには? 公共交通機関のマナーについて

誰もが安心して利用するためには? 公共交通機関のマナーについて

電車やバスといった公共交通機関では、利用する一人ひとりの行動が車内の居心地を大きく左右します。混雑した車内でも立ち振る舞いや、乗車・降車時のちょっとした配慮があるだけで、移動時間が気分のよいものになります。
マナーを意識することは、自分のためだけでなく、周りの人の心地よさにもつながる大切な習慣です。

外国人観光客が増えている昨今、今回は、日本人である私たちにとっては「自然なこと」であるはずの公共交通機関での基本的なマナーについて振り返ってみたいと思います。毎日利用しているという方も改めて確認してみませんか。

乗車時に気をつけたい基本的なマナー

公共交通機関を利用する際、特に通勤・通学ラッシュ時は多くの人が同じ時間帯に集まるため、駅やバス停では乗車時から周囲に配慮した行動を心がけましょう。

列に並んで順番を守る

まずは基本中の基本ではありますが、乗車するときに他の乗客がいる場合はきちんと列に並んで順番を守りましょう。
たとえ急いでいる時であっても、慌てて割り込みをするといった行動はせず、周りに配慮することで不要なトラブル防止につながります。

降りる人が優先で立ち位置に注意

乗車口付近では、通行の妨げにならないよう立ち位置に注意しましょう。
降りる人が優先なので、ドア付近に立ち止まらず左右に避けて通路を空け、降りるのを待ってから乗るようにしてください。少しの心配りで乗降がスムーズになり、電車やバスの遅延を防ぐことにもつながります。
また、ベビーカーや大きな荷物を持っている場合は、乗車前に他の利用者の動線をふさがないように、持ち方や位置を工夫するようにしましょう。

安全に乗車する準備を

乗車直前にはスマートフォンの操作や飲食を控えるのもマナーの一つです。注意が散漫になると、思わぬ接触事故や混乱を招く可能性があります。
特にイヤホンで音楽を聴いている場合は音量を下げ、周囲の状況に気を配ることが安全な乗車につながります。

乗車中・混雑時に意識すべきマナーについて

電車やバスの車内は、限られた空間で多くの人が共有する場所ですので、自分本位な行動が周囲の迷惑になる可能性があります。朝夕の通勤・通学ラッシュ時やイベント開催時などは、車内が混雑してぎゅうぎゅう詰めになるケースも珍しくありません。
乗車中は「お互いに気分よく過ごす」という意識を持ち、譲り合いや思いやりのある行動を心がけるのが大切です。

静かに過ごす

基本中の基本ですが、公共交通機関では静かに過ごしましょう。大きな声で会話をしたり、イヤホンの音が漏れていたりすると、周囲の人に不快な思いをさせてしまいます。
通勤・通学の時間帯は疲れている人や集中したい人も多いため、できるだけ静かな環境を保てるよう配慮しましょう。
また、電話での通話は控えて、急ぎの連絡が必要な場合は一度降車してから話すなど、他の利用者の立場を考えた対応が望まれます。

ドア付近に立ち止まらない

混雑時は、車内での立ち位置に注意が必要です。ドア付近に立ち止まってしまうと、乗り降りする人の妨げになり、結果的に車内全体の混雑が悪化してしまいます。
奥にスペースがある場合は積極的に進み、なるべく多くの人がスムーズに乗れるよう協力しましょう。
また、降車駅が近づいたら、なるべく早めにドア付近に移動しておくと、慌てずに下車でき、他の人の迷惑にもなりません。

姿勢や立ち方、座り方に注意する

乗車中の姿勢や立ち方にも注意しましょう。特に混雑時は足を大きく広げたり、もたれかかったりすると、他の乗客が移動しづらくなってしまいます。
できるだけ姿勢を正して、周囲にスペースを譲る気持ちを持つようにするのが大切です。また、押したり強引に割り込んだりする行為はトラブルの原因となるため、混雑していても冷静な対応を心がける必要があります。
座席に座るときも深く座ることで足を引き通路を確保し、他の乗客が快適に過ごせるよう姿勢を崩さず詰めて座ること。また、足を組むことは遠慮しましょう。

荷物の持ち方に気を配る

混雑時は荷物の持ち方にも気を配る必要があります。リュックや大きなバッグは背負ったままだと他の人にぶつかりやすくなりますので、手にさげて持つか、荷物置きを利用することで、スペースを有効に活用できます。
また、座っているときは荷物を座席に置かず、より多くの人が座れるように自分の膝の上に乗せるか足元に置きましょう。
キャリーバッグを持ち込む際も、自分の足元や荷物置きにきちんと収め、できるだけ通路をふさがないよう注意しましょう。

混雑時の携帯電話の操作は手短に

車内での携帯電話の使い方にも配慮しましょう。特に満員電車でスマートフォンを操作しながら立っていると、前の人の邪魔になる場合があります。どうしても使用する場合は、短時間で済ませるよう心がけてください。

優先席や特別な配慮が必要な場面の対応について

優先席や特別な配慮が必要な場面では、自分の行動が周囲の人にとって大きな意味を持つ場合があります。
公共交通機関では、身体の不自由な方や高齢者、妊娠中の方、小さな子どもを連れた方など、特別なサポートを必要としている方が日常的に利用しています。そのため、こうした方々が安心して移動できるよう、周囲が自然に協力する姿勢が大切です。

優先席を利用する際の配慮について

優先席の利用については特に意識したいポイントです。優先席はあくまで「本当に必要な人のために確保する場所」という前提があるため、体調に問題がない場合や長時間の移動であっても、できるだけ他の座席や立ち位置を選ぶ配慮が求められます。
もしも自分が優先席に座っていて、妊婦さんや高齢者、身体の不自由な方などが近くに来た場合は、「誰かが譲るだろう」とは考えず、速やかに席を譲りましょう。
譲るときには言葉をかけずに立ち上がるだけでも十分伝わりますし、無理に会話をする必要もありません。

また、外見からは分からない事情を抱えている方もいることを忘れてはいけません。
例えば、内部疾患を抱えていたり、障がいが外から見えにくかったりする人も多くいます。そのため、優先席を利用している人を見て「健康そうなのに」と決めつけるのではなく、静かに見守る姿勢が大切です。

ベビーカーや車椅子の利用、障がいのある方への配慮について

車内でベビーカーを利用している方への配慮としては、混雑時にはスペースを確保しにくくなるため、できるだけ周囲が少しずつ場所を空けて、移動しやすい環境を作ることが求められます。自分の立ち位置を少し変えるだけで大きな助けになる場合がありますので、状況を見て柔軟に対応できるよう心がけましょう。
反対にベビーカーを使用する方は、可能であれば通勤・通学ラッシュの時間帯など、混雑時はなるべく避けることをおすすめします。乗車する際は周囲の状況をよく確認し、ぶつからないよう注意が必要です。優先スペースが利用できる場合は活用しましょう。

そして、車椅子を利用している方や補助犬を連れている方など、障がいのある方への配慮は、無理に手を貸したり触れたりするのではなく、必要そうであれば優しく声をかけて確認するのが大切です。相手の意思を尊重した上でサポートするようにしましょう。

一人ひとりの思いやりで安心して利用できる空間に

公共交通機関で誰もが気分よく移動できるように必要なのは、特別な知識や大きな努力ではなく、日常の小さな心がけです。
一人ひとりが周囲の人への思いやりを持つことで、混雑した車内でも安心して利用できる快適な空間を生み出します。
ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にして、次に乗るときから少しずつ意識を向けてみてください。

今回の日記はここまで

コーチングについて

コーチングは現在、ビジネスの場面をはじめ、プライベートの場面においても広く用いられるようになってきています。

それは、コーチングが人の「強み」を伸ばし、行動化をサポートする新しいコミュニケーションの技術であることが理由かもしれません。この技術の新しさは、相手の不平や不満という負の感情さえも、建設的な力への転化が可能であることです。

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相性や性格、価値観が合わない相手との対応力を向上させることも可能にしてしまう点です。
結果として、自分のコミュニケーション能力の飛躍的な向上やリーダーシップなどの幅を広げることに役立てられます。

コーチングは「自分らしさ」も「相手らしさ」も大切にし、「お互いを高め合う」コミュニケーションの手法ともいえます。
老若男女、職種などに関係なく学習し、さまざまな場面で活用できる技術です。

一般社団法人日本コーチ連盟

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