改めて確認しよう! ビジネスマナーの基本

改めて確認しよう! ビジネスマナーの基本

社会人として働くうえで欠かせない「ビジネスマナー」ですが、一度は身につけたつもりでも、忙しい日々の中でつい疎かになったり、自己流に偏っていたりする場合もあります。
特に新年度や人事異動の多い時期は、周囲との関係性が新たに築かれる時期ですので、信頼される大人として、改めて基本に立ち返ることはとても大切です。

今回は、ビジネスマナーの中でも特に重要なポイントを、場面ごとに分かりやすく整理してご紹介します。

挨拶と言葉遣いの基本

ビジネスマナーの中でも特に重要なのが、日常的に交わす「挨拶」と「言葉遣い」です。これらは人間関係の土台を築くための基本中の基本であり、第一印象を大きく左右する要素でもあります。

挨拶の基本

挨拶は、単に言葉を交わすという行為ではなく、相手を認識し、関係を良好に保つための第一歩です。「おはようございます」「お疲れさまです」「失礼します」といった言葉を明るい表情と適度な声量で伝えることが大切です。
また、立ち止まって相手の目を見て行うと、より好印象を与える可能性があります。出勤時や退勤時、外出や帰社の際には挨拶を欠かさず、社内外問わずすべての人に対して礼儀正しく接することが、信頼関係の構築につながります。

言葉遣いの基本

ビジネスの場では、正しい敬語の使い分けも欠かせません。「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の違いを理解し、相手の立場に応じた表現を使うことが求められます。
「了解しました」と「承知いたしました」、「ご苦労さまです」と「お疲れさまです」などの言葉の使い分けは特に注意したい例です。目上の人に「了解しました」、「ご苦労さま」は不適切となります。
言い間違いや敬語の使い方に不安がある場合は、日頃から正しい表現を耳にし、意識的に使うことで自然と身についていきます。
また、社外の人とのやりとりでは、より丁寧で柔らかい言葉遣いを心がけましょう。文面であっても、語尾に少し気を配るだけで印象が大きく変わります。

身だしなみと清潔感

ビジネスマナーにおいて、身だしなみと清潔感は「見た目の信頼性」を左右する大切な要素です。
第一印象はわずか数秒で決まるといわれており、言葉を交わす前に「この人と安心して仕事ができそうかどうか」が判断されるのです。その判断基準の多くが、見た目、すなわち身だしなみによるものです。

ビジネスシーンで求められる身だしなみは、派手さや流行ではなく「清潔感」「整っていること」「TPOをわきまえていること」がポイントになります。服装にシワや汚れがないか、髪型はきちんと整っているか、爪や靴が汚れていないかといった基本的な部分を、日頃から意識することが大切です。

また、スーツの着こなしやネクタイの選び方、メイクの濃さやアクセサリーの主張も印象に影響します。例えば、クライアントとの商談の場では落ち着いたトーンの服装が好ましく、内勤の日であっても周囲に不快感を与えない装いを心がけることが求められます。

加えて、においへの配慮も忘れてはなりません。香水のつけすぎや、汗・たばこ・食べ物のにおいが衣服に染みついていないかといった点も、周囲の人にとっては非常に気になるポイントです。適度な制汗やマウスケアなど、相手への思いやりが身だしなみにも現れます。

電話・メール・チャットのマナー

ビジネスにおけるコミュニケーションは、電話やメール、チャットといった非対面の手段も非常に重要です。相手に信頼感や安心感を与えられるように、それぞれのツールの適切なマナーを守りましょう。

電話のマナー

電話は、相手の表情が見えない分、声のトーンや話し方が印象を大きく左右します。
まず呼び出し音は3コール以内に出るのが基本です。出られなかった場合は、折り返しの連絡をなるべく早く入れるよう心がけましょう。
受け答えは、はっきりとした声で、丁寧な言葉遣いを意識してください。特に社外の相手には「お世話になっております」「○○株式会社の○○でございます」といった定型の挨拶を忘れずに使うことがポイントです。
また、通話中にメモを取る習慣をつけておくと、聞き漏れを防げるだけでなく、要点を整理してスムーズな対応につながります。

メールのマナー

ビジネスメールは、宛名・挨拶・本文・結び・署名の基本構成を守ることが信頼の鍵です。件名は要件が一目で分かるように簡潔にし、本文では敬語や丁寧語を正しく使い、必要な情報を過不足なく伝えましょう。
返信はなるべく早く、遅れる場合にはその旨を一言添えると印象が良くなります。誤字脱字、名前の間違い、敬称の漏れなどにも注意が必要です。

チャットのマナー

社内連絡などに便利なチャットは、スピード感が求められる一方で、カジュアルすぎない丁寧さも重要です。あくまでビジネスでのやりとりであることを忘れず、絵文字や略語はTPOに合わせて使うようにしましょう。
短文のやりとりが続く場合も、最初と最後の挨拶(「お疲れさまです」「よろしくお願いします」など)を忘れないように注意してください。
既読無視にならないよう、要確認のメッセージには返信を欠かさないことも大切です。

訪問や来客対応のマナー

ビジネスの場では、訪問や来客対応の一つひとつが企業の印象を左右します。形式的な作法であっても、細やかな気配りが相手への信頼感や安心感につながるため、基本的なマナーをしっかり身につけておくことが大切です。

訪問時のマナー

取引先などを訪問する際は、約束の時間より5分ほど前に到着するのが理想です。早すぎる訪問は相手の準備を妨げる可能性があるため、10分以上前には受付を済ませないよう注意しましょう。
会社の受付では、会社名と自分の氏名、そして訪問の目的や約束している相手の名前を簡潔に伝えます。案内されたら指示に従い、通された部屋のドアをノックし「失礼します」と声をかけてから入室するのが基本です。
名刺交換は、相手より低い位置で両手を添えて差し出すのがマナーとなります。着席時には上座と下座の位置を把握し、指示がない限りは自ら上座に座らないようにします。

来客対応のマナー

来客を迎える側も、誠実さと丁寧さが問われます。予定時刻の少し前には準備を済ませ、受付から案内された場合は笑顔で挨拶し、名乗ってから応接室まで案内します。
歩くときは、案内する側が相手より半歩前を歩き、ドアの開閉やエレベーターの操作なども自然に対応できるとスマートです。
飲み物を出すタイミングや座る位置の誘導、会話中の表情や相槌も相手の快適さに関わります。退室時には立ち上がって見送り、「本日はお越しいただきありがとうございました」としっかりお礼を伝えましょう。

会議・商談・社内でのコミュニケーションマナー

ビジネスの現場において、会議や商談、そして日常の社内コミュニケーションは業務を円滑に進めるための重要な場面です。それぞれのシーンに応じたマナーを理解し、誠実で適切な対応を心がけることで、信頼関係の構築や仕事の効率化につながります。

会議でのマナー

会議では時間厳守が基本です。開始5分前には着席し、資料やメモの準備を整えておきましょう。発言の際は、的を射た内容を簡潔に述べることが大切です。話を長く引き延ばしたり、他者の発言を遮ったりするのはマナー違反にあたります。
また、聞いている間の態度にも注意が必要で、頷きや相槌を適度に取り入れ、スマートフォンの操作や居眠りなどは厳禁です。
終了後は議事録や次のアクションの確認も忘れず、会議を「結果につなげる」意識を持ちましょう。

商談でのマナー

商談は信頼の第一歩ですので、印象を左右する服装や言葉遣い、態度には特に注意が必要です。名刺交換や挨拶の所作を丁寧に行い、相手の話をよく聞いた上で的確に自社の提案を伝えましょう。
相手の課題に対して親身に耳を傾け、押し売りにならないようにする姿勢が重要です。事前に相手企業について情報収集し、商談の目的や提案内容を明確にしておくことで、信頼感と実力の両面を印象づけられます。

社内コミュニケーションのマナー

同僚や上司との日々のやり取りにおいても、挨拶と報連相(報告・連絡・相談)を基本とした誠実な態度が求められます。メールやチャットだけに頼らず、必要に応じて口頭での確認やフォローも行いましょう。
社内とはいえ馴れ合いにならず、丁寧な言葉遣いと節度のある対応を心がけることで、風通しの良い職場づくりにもつながります。

ビジネスマナーを今一度見直してみよう!

ビジネスマナーは、社会人としての信頼を築く土台であり、相手との関係を良好に保つための「思いやり」でもあります。形式だけにとらわれず、相手を尊重し、状況に応じた対応ができるようになることが本当のマナー上手です。
日常の中で少しずつ意識を変えるだけでも、周囲からの印象は大きく変わっていくはずです。ぜひこの機会にマナーを振り返り、よりスマートなビジネスパーソンを目指しましょう。

今回の日記はここまで

コーチングについて

コーチングは現在、ビジネスの場面をはじめ、プライベートの場面においても広く用いられるようになってきています。

それは、コーチングが人の「強み」を伸ばし、行動化をサポートする新しいコミュニケーションの技術であることが理由かもしれません。この技術の新しさは、相手の不平や不満という負の感情さえも、建設的な力への転化が可能であることです。

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相性や性格、価値観が合わない相手との対応力を向上させることも可能にしてしまう点です。
結果として、自分のコミュニケーション能力の飛躍的な向上やリーダーシップなどの幅を広げることに役立てられます。

コーチングは「自分らしさ」も「相手らしさ」も大切にし、「お互いを高め合う」コミュニケーションの手法ともいえます。
老若男女、職種などに関係なく学習し、さまざまな場面で活用できる技術です。

一般社団法人日本コーチ連盟

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