怒りから自分も相手も守る! アンガーマネジメントの考え方と実践的対処法

怒りから自分も相手も守る! アンガーマネジメントの考え方と実践的対処法

仕事や家庭で、何気ない一言や態度にイライラし、強い口調になってしまうことは誰にでもあります。
しかし、言い方を後悔したり、反対に怒りを我慢し続けて疲れたりした経験も少なくないはずです。

今回は、怒りを感じた際に衝動のまま反応せず、自分と相手を傷つけにくい言動を選ぶための考え方である「アンガーマネジメント」について、基本から、その場で使える対処法、家庭や職場での取り入れ方まで解説します。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りをなくすのではなく、反応を調整し、気持ちや要求を適切に伝えるための考え方や技法です。
深呼吸、考え方の見直し、落ち着いたコミュニケーション、その場から距離を取る方法などがあります。

「怒らないように我慢する方法」ではない

アンガーマネジメントは、怒りの感情を我慢し続けるものではありません。
大切なのは、今すぐ反応する必要があるか考える、何を相手へ伝えたいか確認する、相手を攻撃せず、自分の希望を伝えるといった視点です。
怒りをゼロにするのではなく、怒った後の言葉や行動を自分で選べる状態を目指します。

怒る自分を否定する必要はない

怒りは、喜びや悲しみと同じ自然な感情です。
不公平な扱いを受けたり、約束を破られたり、大切な価値観を否定された際に怒りを感じるのは珍しくありません。
注意したいのは怒りそのものではなく、怒鳴る、物を壊す、暴力を振るう、脅す、相手を長時間責め続けるといった行動です。
アンガーマネジメントでは、感情と行動を分けて考えます。

すぐに使えるアンガーマネジメントの具体例

強い怒りを感じている最中は、複雑な方法を思い出しにくくなります。普段から、自分に合う対処法を2~3個決めておくと実践しやすいでしょう。

まず怒りを感じると、心拍が速くなったり、筋肉に力が入ったりする人は少なくありません。
そんなときは、無理に大きく吸わず、ゆっくり息を吐いてみましょう。
また、会話を続けるほど怒りが強くなるなら、一度その場を離れる方法もあります。

ただし、何も言わず立ち去ると「無視された」と受け取られる場合があるので、「今は冷静に話せないから、20分くらい空けてから話したい」など、戻る意思を伝えてから距離を取りましょう。

怒りを数値化するのも有効です。
例えば、怒りを感じたら今の強さを1~10で考えてみます。
「今は7くらい」「さっきは8だったけれど、今は5くらい」と数値化すると、感情から少し距離を取り、自分の状態を見やすくなります。

また、今見えている物や聞こえている音、足の裏の感覚などに意識を向けるのもよいでしょう。

怒りをため込まないための習慣

怒っていると、「いつも自分ばかり」「絶対に許せない」「普通なら分かるはず」と考えてしまうことがあります。
「本当に100%そうなのか」と問い直すと、別の見方が生まれるかもしれません。

また、他人の性格や過去の出来事、交通渋滞など、自分だけでは変えられない対象があります。そのようなときでも、自分の言葉や行動、距離の取り方、予定の組み方などは調整できます。
変えられない対象ばかりに意識を向けず、自分が動かせる範囲にも目を向けてみましょう。

アンガーログで怒りを記録するのも効果的です。
アンガーログとは、怒りを感じた場面を記録し、自分の傾向を振り返る方法です。
いつ怒ったか、誰に対して怒ったか、何が起きたか、何を考えたか、どんな行動を取ったかなど、数日から数週間続けると「寝不足の日にイライラしやすい」「時間に追われると怒りやすい」など、自分の傾向が見えてきます。

相手を責めずに気持ちを伝える方法

怒りが落ち着いても、伝える必要がある内容まで我慢すると不満は残ります。
そこで意識したいのが、相手を攻撃せず、自分の気持ちや希望を具体的に伝える方法です。

例えば、主語を相手ではなく、自分にする伝え方があります。
「あなたは何でいつも連絡しないの?」ではなく、「連絡がないと予定を決められなくて困る。遅くなる日は連絡してほしい」と伝えます。
相手の人格ではなく、起きた出来事と自分の希望へ意識を向けられるでしょう。

事実と解釈を分けるのも重要です。
「無視された」と感じても、事実として確認できるのは「返事がなかった」だけかもしれません。
意図的に無視したのか、聞こえていなかったのかは確認しなければ分からないのです。
怒りが強い時ほど、自分の解釈を事実だと思い込まない意識が大切です。

そして、要求は具体的に伝えるように心掛けましょう。
「ちゃんとして」「もっと考えて」と伝えても、相手には何を変えればよいのか伝わりにくくなります。
「遅れると分かった時点で連絡してほしい」「使った物は元の場所へ戻してほしい」など、具体的な行動で伝えましょう。

家庭で使えるアンガーマネジメント

夫婦喧嘩

家族は距離が近い分、感情を強く出してしまうことも少なくありません。
「家族なら分かってくれるはず」という期待が、怒りを強める場合もあります。

パートナーへ腹が立ったときは、過去の不満まで持ち出してしまいがちです。
そうなると話が広がり、本来の意図が伝わらなくなるので、まずは今回の出来事に焦点を当て、「何が嫌だったのか」「次からどうしてほしいのか」を具体的に伝えましょう。

子どもに対しては、何度注意しても同じ行動が続くと、声を荒らげたくなる場面があるかもしれません。
その際は子どもの人格を責めるのではなく、「走らない」「今は片づける時間」など、求める行動を短く具体的に伝えましょう。
怒鳴るほど怒りが高まっているのであれば、安全を優先して短時間距離を取る方法もあります。
ただし、乳幼児など見守りが必要な子どもを危険な状態で一人にしないよう注意してください。

職場で使えるアンガーマネジメント

職場では、人間関係に加え、納期や評価、仕事量、役割の違いなどが怒りの原因になりがちです。

部下や後輩のミスへ怒りの感情が出たとき、「何回言えば分かるんだ」などと伝えると、相手を責める表現になってしまいます。
「この数字が違っている」「提出前にこの3項目を確認してほしい」といった、直してほしい部分を具体的に伝えましょう。

上司や同僚に対して怒りの感情が強い際は、その場ですぐ反論せず、一度メモへ書き出して見直す方法が効果的です。
メールやチャットも怒ったまま送らず、少し時間を置いて読み返すと衝動的な表現を減らせます。

アンガーマネジメントで避けたい考え方

アンガーマネジメントを学んでも、「怒りを完全に消そう」とすると別のストレスにつながる可能性があります。
怒りをなくすのではなく、怒った後の行動や伝え方へ意識を向けましょう。

前述してきたように、アンガーマネジメントは怒りをすべて我慢することではありません。
怒りを表に出さない状態と、適切に扱えている状態は異なります。
嫌な扱いを受けても黙り続ける必要はなく、伝える内容は落ち着いてから伝えましょう。

最も注意したいのが、怒鳴ったり物に当たったりして怒りを発散する方法です。
怒りを激しく外へ出しても、気持ちが落ち着くとは限りません。
むしろ、怒りや攻撃性を強める場合もあるため、まずは気持ちを落ち着かせ、自分の希望を言葉で具体的に伝えましょう。

もし、怒りが自分だけでは扱いにくいのであれば、医療機関や心理カウンセラー、公的な相談窓口へ相談する選択肢もあります。

アンガーマネジメントで怒りの反応を選ぼう

ビジネスパーソンの握手

アンガーマネジメントは、「怒らない人」を目指す方法ではありません。
怒りは自然な感情であり、大切なのは衝動のまま反応しない姿勢です。
強い怒りを感じたら、深呼吸する、その場から離れる、怒りを数値化するなど、短い間を作ってみてください。
伝える内容まで我慢せず、起きた出来事や自分の気持ち、相手にしてほしい行動を具体的に伝えましょう。

怒りをなくすのではなく、怒った後に何を言い、どう行動するかを選ぶ。
それがアンガーマネジメントの基本です。

※当サイト管理者〝柴犬テツ″からの初コメント

今回はアンガーマネジメントの「怒り」の捉え方や扱い方の基本を理解しました。
そしてまた、テツが好物とするコーチングとの違いも感じました。
コーチングでは、怒りをはじめとした感情は「自分を知るための情報」として扱います。
とくに「怒り」は、個性によっては「行動力・集中力・責任感」の建設的な力として
活用されるので興味深く感じました。

今回の日記はここまで

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